建て値を忘れよ

「建て値を忘れよ」とは、自信を持って買った株ならば、株が下がってもくよくよせず買い値など忘れ、長期投資の覚悟も時には必要だ、という格言です。

建て値とは、信用取引の売買値ですが、この場合は、実物で株を買った値段のことをいいます。

見込みがなくなった時の決断を投資家は迫られるので、しっかり考えて行動することが大切になります。

遠くのものは避けよ

「遠くのものは避けよ」とは、株式投資を始めるにあたっては、自身の見識が及ばない分野の企業銘柄には手を出さない方が良い、という意味の格言です。

例えば、業界内での競争力の評価について高度の専門知識を要するようなハイテク業種の企業の場合、複数のアナリスト情報が得られる機関投資家に較べると、個人投資家はどうしても情報力格差から出遅れてしまう懸念があります。

一方、小売や一般消費財など、生活者の実体験が競争力を判定する上で重要な情報となり得る業種もあります。

こうした身近な業種を担当する企業アナリストの場合、自身で小売店を歩いたり、実際に商品を使ってみたりと、一般消費者と同じ視点での調査もやはり試みているのです。

もちろん、個人によってはあるハイテク業種についてプロ顔負けの知識を持っているでしょうから、必ずしもそうした産業を避けよ、という意味ではありません。

つまり、「遠くのものは避けよ」とは、他の投資家と較べて情報力に不利を受けない分野から投資を始めよ、ということなのです。

備えあれば迷いなし

「備えあれば迷いなし」とは、ことわざに「備えあれば憂いなし」というものがありますが、それの投資格言版です。

投資基準が曖昧であればほんの少しの値動きでも動揺してしまい、冷静な対処ができません。

確固たるものがあればそれを基準として迅速で理性的な判断ができます。

それは利益確定にしても損切りにしても同じことです。

情報、資金力、心構えと、投資家に必要な要素を十分に備えて、投資家として恥ずかしくない態度で臨みたいものです。

すなわち、「備えあれば迷いなし」とは、投資をおこなう際に必要なことは、自分なりの相場観をしっかり持つことであるということを表す言葉です。

自分なりの相場観をしっかり持つためには、投資をおこなおうとする先をよく研究する必要があります。

先人がその経験を基に残した、相場に関する格言の一つ、それが、「備えあれば迷いなし」です。